[感想]World Without End/Ken Follett
World Without End
ケン・フォレット著/ペーパーバック/1024頁
お薦め度:★★★☆☆
いつか、イングランドでいちばん高い建物を建てる―大きな夢を抱く建築職人のマーティン、その才能に嫉妬した元親方の策略によって破門され、細々と生計を立てていた。一方、彼の恋人カリスは衰退する羊毛市を救うため、老朽化した橋の修復計画に奔走する。が、修道院の許可が下りずに計画は頓挫、やがて橋が崩壊して多数の死者が! 全世界で1500万部のベストセラーとなった「大聖堂」から18年。待望の続編が登場。(文庫裏表紙より)[翻訳:大聖堂 果てしなき世界(上、中、下)]
ひと言で言うならば、歴史大河小説。
前作「The Pillars of the Earth(翻訳:大聖堂(上、中、下))」の続編にあたる作品……らしいのだが、私自身は前作を読んでいない。読んでいなくても、前作からの繋がりはあまりないようなので、とりあえず問題はなかった。
14世紀のイングランド・キングスブリッジを舞台に、羊毛商の娘カリス、落ちぶれた騎士の二人の息子マーティンとラルフ、そして貧しい農民の娘グウェンダ。
彼らの幼少時代から、その後の30年以上に渡る波乱の人生が描かれている。
なるほど確かに読ませるストーリーで、これほどまでに長い作品にもかかわらず、最後まで読者を飽きさせない力量はさすがと言うしかない。
けれど、私はどうしてもこの作品を好きになることができなかった。彼ら4人の生き様を、私の中でうまく消化することができなかったのだ。
現代とは価値観や道徳観念が違うと言えばそれまでなのだが。
(※以下、ネタばれと言えばネタばれ……かも?)
◆たとえいかなる事情があろうとも、マーティンのプロポーズを何度もことわるカリス。ならばきっぱりと前を向いて歩くかと思えば、たびたび見せる後悔の涙。
◆カリスにふられるとすぐに新しい彼女・妻を見つけるマーティン。
◆グウェンダの生活力・強さは賞賛に値するが、でもそれって殺人じゃない?
◆自業自得とは言え、何もラルフをあんな風にね……ごにょごにょ。
とまぁ、こんな具合で、登場人物たちに上手いこと感情移入をすることができなかった。
★3つ、というか★2.5くらい。
ただし、自分でもこんなに長い作品を読み通せるんだ、という自信に繋げることのできた1冊ではあった。
建築用語や、宗教用語(?)など、馴染みのない単語もかなり出て来るが、気にせず飛ばしながら読むことが出来れば、英文自体は平易で読みやすい。
ちなみに。
この作品のあらすじを、家の子太郎(中1)にぽつりぽつりと語って聞かせていたところ、たいそうお気に召したらしく、もう少し大きくなったら、翻訳を読むのだと張り切っている。
けれど。
正直、作中に時折登場する性描写のことを考えると、子太郎にはあまり読んで欲しくない。
いや、子太郎に読んで欲しくないと言うよりは、自分の親がこんなのを読んでいたのか、と年頃の子どもに思われるのが、なんだかなぁ、と。
いろんな方の感想を拝見しても、この部分を言及しているものはなく「ひょっとして、洋書で読んだせいで、私の妄想が果てしなく広がってた?」などと不安になったが。
あった、発見。
作家瀬名秀明氏のブログに書いてあった。
⇒大聖堂—果てしなき世界: 瀬名秀明の時空の旅
やっぱりケン・フォレットはエロいね。『針の眼』のころから敵国スパイと孤島の人妻などというエロさ全開だったフォレットだが、今回のシチュエーションも相手は修道女で相当エロい。なんというか中学生や爺いが喜びそうな王道のエロさである。
良かった。



