[感想]October Sky/Homer H. Hickam
October Sky
ホーマー・ヒッカム・ジュニア著/マスマーケット/428頁
お薦め度:★★★★★
寝る間も惜しんで一心に打ち込むロケットボーイズたちの姿に、やがてひとり、ふたりと協力者が現れる。炭鉱事故が相次ぎ、労使は対立、炭鉱産業が斜陽を迎え、沈鬱な雰囲気に包まれた町で、かれらのロケットは人々に新たな希望を与えたのだ。だが父は相変わらず炭鉱一筋で、見向きもしない。ぼくの手でロケットをつくりあげて、父に認めさせてみせる!決意を胸に、完成したロケットを手にして、かれは科学フェアに参加した。父と子の深い溝ははたして埋められるのか…。NASAの元エンジニアが、宇宙を夢見た青春時代を綴り、夢を追い求めることの大切さを思い出させてくれる、さわやかな自伝。(C)「BOOK」データベース[邦訳:ロケットボーイズ〈上〉、ロケットボーイズ〈下〉]
映画「遠い空の向こうに」原作。
宮部みゆきの「理由」がノンフィクションの形を借りたフィクションだったのに対し、こちらはフィクションの形を借りた「ノンフィクション・自伝」……らしい。らしいと言うのは、あまりにもすべてが上手く収まりすぎていて、本当かいな?と思う部分がなきにしもあらずだったからだ。
けれど、自伝というからには、すべてが真実なのだろう。真実だとするならば、自己啓発書などによく登場する「信じて願えば、夢は必ず実現する」をまさに地で行っている。
たった一人で始めたロケット作りにやがて仲間が集まり、最初は無関心だった町の大人たちが、次第に彼らの試みを受け入れ、そればかりかやがては、自分たちの夢をも託すかのような気持ちで、積極的に応援をしてくれる。いついかなる時も常に理解を示してくれたソニーの母親、無関心を装いつつも、徐々に打ち解けて行く父親……。
大空へ向かって一直線に飛んでいくロケット、夢にまっすぐな少年たち、町の人々の希望……。炭鉱産業の斜陽という、重苦しい現実を吹き飛ばすかのようにして、物語はラストへ向かって収束していく。爽やかな読後感という以外に、何と表現すればいいのだろう。
Epilogueはやや冗長で、もう少し工夫があっても良かったかな?と思わないでもないが、それを補ってあまりある感動作品に仕上がっている。ちょっと長いけど、オススメ(^^)



