[感想]Boy/Roald Dahl

 Boy

Boy
ロアルド・ダール著/ペーパーバック/176頁
お薦め度:★★★☆☆

児童文学作家としても、またミステリー作家としても人気のロアルド・ダールの子供の頃から少年時代までを綴った自伝的エッセイ集。


最初にお断りしておきます。
実は私、ロアルド・ダールの作品を一冊も読んだことがないのです。そのことに思い至ったのは、このエッセイを読み始めた後。

作者の作品を読んでから「こういう物語を書くような人は、どんな風にして育って来たのだろう」という素朴な疑問を携えつつ、この手のエッセイに手を伸ばすのが、正統派の読み方でしょう。それをしなかった私の場合、作者自身にあまり興味を持つことができなかったため、少年時代の話にも深くのめり込むことができませんでした。

で、一歩引いた位置からこのエッセイを読んでいると、実はあまり面白くはないんですね。ひとつひとつのエピソードはそれなりに上手く書いてあるのですが、示唆に富んでいるわけでもないし、何かを考えさせられるわけでもない。ましてや、共感する部分も皆無に近くて、もうなんと言うか……。

子供時代の話ということで、学校に関する話題が多いのですが、これがもう今でいう体罰の嵐のような学校。戦前の日本のことを思っても、当時はこういったスタイルが珍しくはなかったのでしょうが、ダールの文章を読んでいると、この時の恨みを世間に公表したいがためにこのエッセイを書いたんじゃないの??なんてついつい思いたくなってしまいます。ダールの作品には毒気を含んだものが多いと聞いてますから、あるいはファンの方ならこの部分で「ふむふむ、こういう過去があったから、ああいう風にして作品に反映されているのね」と思うところなのでしょうが、予備知識なしで読むと、気が滅入ってしまう感じがなきにしもあらず。

まぁ、このままではあんまりなので、時間を見つけてロアルド・ダールの小説を読んでみようと思っています。

ちなみに、英文は平易、イラストや写真などがあちらこちらに豊富に入っているので、気軽にページを繰ることができます。洋書初心者でなおかつダールファンの方にはお薦めです。


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